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AI投資熱、「原発」に波及 燃料ウランは1年で7割高-チャートは語る

1:Geronimo:

2024/04/27 (Sat) 14:44:20

https://bbs5.fc2.com//bbs/img/_871400/871392/full/871392_1714196660.jpg  生成AI(人工知能)ブームで半導体株に群がったマネーが「原子力ルネサンス(復活)の再来」を先回り買いし始めた。原子力発電の燃料ウランの取引価格は直近1年間で7割高となり、同期間では米半導体株指数の上昇率を上回る。AI普及で電力需要が爆発的に伸びるとみられ、原発が恩恵を受けるとの見立てだが、期待先行の面もある。
 ウラン取引市場で米大手投資銀行ゴールドマン・サックスが存在感を高めている。ウラン現物に加え、ヘッジファンド相手のオプション取引にも手を広げ始めた。傘下の英トレーディング会社が22年末時点で3.56億ドル(約550億円)相当のウランを保有していたことも明らかになった。

 米調査会社UxCによるとウラン精鉱のスポット(随時契約)価格は2月、一時1ポンド106ドルまで急騰した。原発の新増設計画が相次いだ07年の「原子力ルネサンス」以来の高値水準だ。背後にはヘッジファンドや投資銀行の存在がある。英投資会社イエローケーキのアンドレ・リーベンバーグ氏は「需要増大が供給能力の限界に直面し、価格上昇は避けられない」と予想する。
 ウラン価格は長らく低迷していた。11年の東日本大震災後に原発活用の機運がしぼんだためだ。生成AIブームが起きると状況は一変。AI向けチップ需要の増大が見込めるとしてフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が急騰し、追随する形でウラン価格や米原発事業者の株価も上昇した。原油の値動きとの乖離(かいり)から、ウランをエネルギー資源ではなく「AI関連銘柄」と認識し始めているようにみえる。

 なぜウランや原発株が買われるのか。背景にはAI普及に伴う電力需要の増大見通しと米大手テック企業の動向がある。
 生成AIは画像処理半導体(GPU)で膨大なデータを学習する。大容量サーバーを備えたデータセンターも必要になる。米モルガン・スタンレーの試算を基に世界のデータセンター向け電力需要を試算すると、24年から27年までに318テラワット時増える見通しだ。インドネシア1国分の年間電力消費量に相当する。大型原発の発電量で換算すると39基分に匹敵する。
 テック企業はデータセンター向け電力の確保と脱炭素に向けて、再生可能エネルギーへの投資を強化している。ただ太陽光や風力では24時間稼働できず、温暖化ガス排出が少ない原発を「基幹電源として活用しようとしている」(調査会社ライスタッド・エナジーのスリヤ・ヘンドリー氏)とみられる。
 米マイクロソフトは米東部のデータセンターで米原発運営会社と電力購入契約を結んだ。次世代原発の小型モジュール炉(SMR)とデータセンターをつなぐ計画に向けて専門家の採用にも動いた。資金力豊富な米テック企業が原発開発を後押しするようになれば、

 米運用会社キャピタル・グループは原発についてAI拡大と電力需要急増で復活の準備が整ったと指摘し「大手テック企業が原発議論を再点火する推進役になる」(運用担当者マーク・ケイシー氏)と期待する。米半導体株指数の予想PER(株価収益率)は一時30倍まで拡大し、割高な水準にあった。原発事業を手がける米ヴィストラは16倍程度だ。AI関連として位置づけるなら割安に見える。
 投資家の期待通り、原発の活用や新設が広がるのか不透明な部分は残る。米ニュースケール・パワーは23年11月、SMR第1号案件の中止を明かした。建設費用の上昇で発電コストが当初より約5割も高くなる見通しとなったためだ。
 原発新設を進める中国などがウランの購入を増やすとみられる一方、鉱山会社の増産には時間がかかり、需給は引き締まりやすい。期待先行のマネー流入がウラン高に拍車をかければ、原発活用の妨げになりかねない。ルネサンスの行方は原発再稼働を目指す日本の将来も左右する。(荒川信一、ヒューストン=花房良祐、グラフィックス 藤沢愛)

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