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乗っ取られた市場 株価は機械が決めるのか - GeronimoMail URL

2019/01/23 (Wed) 08:31:24

 「注文量が2倍になっている」。1月4日早朝、クレディ・スイス証券の牧野淳株式副本部長は大発会の取引開始前にたまっていた注文をチェックして、嫌な予感がした。年末年始の休み中にせっせと注文を出していたのはヒトではない。機械だ。
 予感は的中。日経平均株価は取引開始直後から急落し、下げ幅は一時700円を超えた。「アップル・ショック」だ。当初は海外投資家の売りという解説も出たが、時間がたつにつれてコンピューターが自動で注文を出す機械取引が下げ増幅の「主犯」という構図がみえてきた。
 株価乱高下の際にきまって名前があがる機械取引。その全体像を理解するにはヒトの体に例えるとわかりやすい。
 通常はヒトが行う投資先や売買のタイミングを決める「頭脳」、実際の売買注文を出す「手足」まで一貫してコンピューターに任せる。これが今、拡大している機械取引だ。ボストン・コンサルティング・グループによると、運用資産は世界で約18兆ドル(2000兆円)。世界の運用額の2割を占めるという。
 これとは別に投資判断はヒトがするが、注文処理は機械という例もある。実は大手の投資家も「手足」は機械任せの場合が多く、東証に入る注文の8~9割は機械経由だ。理由は処理スピードの速さ。例えば海外に本拠を置く高速取引業者(HFT)は1000分の1秒、100万分の1秒の単位だ。ヒトがまばたきする0.1秒よりはるかに速い。
 今の市場を席巻するのは頭脳から手足まですべて機械というタイプだ。経済危機でもないのに日経平均の値動きが500円を超える日が増えた。2017年はゼロだったのが18年は15日に上り、19年も年始から乱高下が続く。機械にはヒトが抱く心理的な節目はない。経済や企業業績では説明しきれない値動きが増え、実態が見えにくい。
 例えば年明けの市場。外国為替市場では3日午前7時半ごろ、1分間で約4円近く円が急騰。1ドル=104円台を付けた後、元の水準に戻った。円取引が最も薄くなる正月明けの早朝を狙った売買を機に機械取引が連鎖し、外国為替証拠金(FX)取引をてがけていた個人投資家が損切りの強制決済を迫られ、想定外の損失を被った。
 機械取引には様々なタイプがある。翌4日の米国株式市場では米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演で「金融政策の見直しをためらわない」と発言したとたん、要人の発言や経済指標に即座に反応する「イベント・ドリブン」の機械取引勢が売買を膨らませた。ここに値動きそのものを売買材料とする「モメンタム」勢の買いが加わり、米ダウ工業株30種平均の上げ幅は一時800ドルを超えた。機械の買いが次の買いを呼び、値動きが順張りで増幅される。株価は機械が決めるのか。急騰や急落が頻発し、経験豊富な投資家やトレーダーも手をこまぬいている。
 機械取引の膨張には上場投資信託(ETF)を中心にパッシブ運用の人気も影響している。個人や機関投資家の資金が流れ込み、「ヒトが説明しきれない機械取引の共鳴が起きている可能性がある」(野村証券の高田将成氏)。経済と市場の変動率が高まるなか、「(機械の)トレーダーが市場機能の向上に貢献しているとは考えがたい」(クルーグマン・ニューヨーク市立大学教授)との批判はあるが止められる者はいない。機械取引が市場構造を変えた今、投資家がどう備えるべきかを探る。

Re: 乗っ取られた市場 株価は機械が決めるのか - sirius

2019/01/24 (Thu) 02:09:16

当初は海外投資家の売りという解説も出たが、時間がたつにつれてコンピューターが自動で注文を出す機械取引が下げ増幅の「主犯」という構図がみえてきた。

なるほど!

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